相手してくれるからか、ヒナコはすすんでお茶を出しに行きます。
お茶を出して「ありがとう」と言ってもらうと、「よっしゃ!」って感じで
嬉しそうにキッチンに戻ってきます。
お茶を出しつつ、たまに近況報告なんかもしてるようです。
今日もお茶を出しながら、「あのー、布亀さん、聞いてくれます?」と話しかけ、
「いいよいいよ、お話して」と言われると、なんと悩み相談を始めました。
「6年生は宿題も持ち物も多いし、必然的に全学年を引っ張っていかなきゃならないし、
私にやってけんのかなぁ」とか、
「こんどの集会で人前で話さなきゃだめなんです、でも私、苦手で嫌なんです!」とか。
そしたら布亀さんも
「お兄さんも最初は苦手だったからやりなさいって言われた時は嫌やったけど、
頑張ってやったよ」みたいな感じでちゃんと答えてくれてました。
ヒナコは布亀さんにアドバイスもらって納得したのかわからないけど、
「まぁ、人は完璧は無理ですよねっ。」なんて言ってました。
「あぁ〜、小学校が義務ってのが嫌なんですよ私は」とか言ってるからずっと聞いてると
そのうちだんだん話が逸れてきて、体育で今やってる内容(ゲームのルールまで)、
転校生が来た話、何組になったか、前に旅行に行った時の話…。
あぁもうこの話、どこまで続くんだぁ。
「あーぁっ、明日も体育嫌やわ〜!」とかさんざん愚痴って、最後には笑いながら
「ま、いっかー。ご飯食べて明日の用意したらゴロゴロしよっ!」と自己完結。
吐き出したらスッキリしたのかな。
布亀さんに申し訳なくて、悩み相談終了後、「本当すいません〜」って謝ったら、
「いえいえ、僕も色々と聞かせてもらって勉強になりますよ。いやぁかわいいですねぇ」
なんて答えが返ってきました。
確かに最近の小学校で流行ってることとか、小学生の考えてることとかを聞くのは
たくさんの家を回ってる営業さんにとってもいいのかもしれないんだけど。
それでもやっぱり布亀さんいい人すぎる。
ただ、イマドキの小学生女子としてヒナコが参考になるか…うん、きっとならないなー。